□□さんの場合

□□さん、宿題提出ありがとうございました。それでは早速気づいたことをお伝えします。

 

読み全体のバランスはだいぶ良くなってきましたね。顔の上げ下げも自然になってきました。かなり読んできたので、言葉が自分の体の中に入ってきたのかなと思います。

 

その上で□□さんの課題としては「悲しい文章を悲しいだけで読まない」ということになります。今の読みは、文章に書かれている気持ちをそのまま文章に乗せた読み方です。Aを代弁した読みとも言えます。

 

この部分の地の文を読むためには、Aに寄り添ってAの気持ちを代弁する目線と、少し客観的にAを見ている□□さんの目線とのふたつが必要です。なぜなら一人称ではなく三人称の文章だからです。

 

Aに寄り添っている時は今の感じでも良いですが、□□さんで読む時はもう少しAを慈しんで優しく包んであげるような、聖母マリアのような気持ちで読んでみてください。「悲しい、淋しい」一辺倒ではなく、「大変だよね、がんばってるよね」という気持ちを込めてあげると、地の文がとても豊かになり、作品世界が広がります。

 

難しいところですが、□□さんにはぜひこの感覚を身につけてほしいです。お疲れさまでした。